トリマーの倣い(ならい)加工で、木材を丸く加工するには!

 こんにちは!
 前回、トリマーテーブルをご紹介させていただきましたが、今回は、トリマーを使って直径27cmのスツールの丸い座面を製作しましたので、その方法とポイントをご紹介したいと思います。

倣い(ならい)加工とは?

 倣い加工とは、テンプレート(型)を使って型に沿ってトレースすることで、同じ形のものを複数個、正確に切削することです。
 ベアリング付のビッドを使います。

丸い座面の作り方

STEP1 テンプレートを作る

 倣い加工には、木材に形状をコピーするための型が必要です。
MDFや合板などを使ってテンプレートを作りますが、ベアリング付きビッドのコロ(ローラー)の高さが8mmですので12mm程度の厚みがある板を使われるといいと思います。
 下の写真は、スツールの座面を作るために以前に製作したテンプレートです。12mmの合板を使用しています。 

 このテンプレートは、レーザー加工機で正確に切りぬいた5mmのMDFをテンプレートとし、倣い加工で12mmの合板にコピーしたものです。

 レーザー加工機が無い場合どうやって円のテンプレートを作るの?
・トリマーの円切り(サークルカット)治具を使う
・コンパスで円を描き、ジグソー+ヤスリがけで丸く整える
 などの方法がありますが、次の機会にでもご紹介させて頂きます。

STEP2 木材にテンプレートを貼る

 切り出したい木材に両面テープでしっかりとテンプレートを貼付けます。
 今回使う木材は、30cm×30cm厚み3.5cmですが、事前にジグソーで27.5mm程度にカットしています。
 なぜかと言うと、トリマーに負荷がかかり切り出しに時間がかかってしまうまらです。トリマーを2台潰した経験があります。( ノД`)シクシク…

 
貼付け後の写真を撮り忘れています。

STEP3 テンプレートに沿ってカット

テンプレートに沿ってトリマーを動かします。



ポイント
・電源を入れてからビッドを材料に当てる
 ビッドが材料に当たった状態でスイッチを入れるとトリマーが跳ねて危険です。
・トリマーは、しっかりと押さえる
・トリマーのビッドは右回り!
 ビッドの左側が材料に当たる様に動かす。
 手前から奥に動かす。
 逆方向に動かすと、キックバックが起こり大変危険です。
・2~3mm程度ずつ数回に分けてじっくりゆっくり削りテンプレートに近づける。
 一機にテンプレートにコロが当たる所まで削ろうとすると負荷かかかりすぎ、トリマーが破損する恐れがあります。

 また、速度が遅すぎると材料が焼ける場合があります。焼けた場合、ヤスリで削ってもなかなか落ちません。


 上の写真は、トリマーで削り終えた写真です。
 テンプレートに沿ってコピー版ができました。

 トリマーは先端が回転するので使い方を間違うととても危険な道具です。しかも、音が大きいので使い始めはなんだか使うのが怖かったです。
 しかし、DIYの幅が広がりいろんなカタチのものを作ることができるのでDIYの幅が広がること間違いなしです。
 前述した「ポイント」さえ守れば安心して使って頂くことができると思います。
 倣い加工は、トリマーの一番簡単な使い道ですので皆さん、是非、やってみてください!

STEP4 研磨

 トリマーで削っただけでは、木端、木口はとても粗いです。特に木口は、繊維の方向が違うため、年輪の粗いところでは細胞穴が多くツルツルに研磨するにはにとても時間がかかってしまいます。

・今回の材料は、円なので押し当てすぎると歪な形になってしまいますので、ディスクサンダーでゆっくり慎重に研磨していきます。

1_荒削り(側面)
#80のサンディングディスクで荒削り
・サンダーに材料を押し当てすぎないようにし、ゆっくりと回転させて削っていきます。





・5回転程すると繊維の穴が消えました!
 でも、まだまだ粗いですね。

2_中仕上げ(側面)
サンディングディスクを#120に付けかえ中仕上げ



直角確認も忘れずに!

上の写真は、#80と#120の比較です。
 真ん中より少し右1.5cm程が#120です。
これから、5回転ほどゆっくり#120の削り跡が消えるまで磨いていきます。


#120終了

3_仕上げ(側面)
サンディングディスクを#240に付けかえ仕上げ



 木口の繊維跡も消え、美しく研磨できました!

4_仕上げ(木表・木裏)
 側面と同じようにサンダーで研磨します。
 ランダムサンダーで、#80→#150→#240の順番で研磨して仕上げます。
最後に、オービタルサンダー#240で均一に仕上げて完成です。
 オービタルサンダー#240で仕上げる必要は無いかも知れませんが、サンディングディスクのメーカーによる違いがあるのかも知れませんが、丁寧にランダムサンダーで仕上げても薄く円の跡が残ってしまうことがあります。それを消すためにオービタルサンダーで仕上げています




完成

 力強い木目が美しい吉野杉の座面が完成しました。今回制作した座面は、「ハイスツール 670」の座面になり、後日、オイル塗装を行いお客様の元へお届けします。 

研磨のポイント
・小さい番手→大きい番手
・木目に沿ってゆっくりと一定速度で動かす
・力をかけてサンダーを木材に押し付けない
 (押し付けるとキズが残りひどい場合はせっかくの平面が歪んでしまいムラになります。)
・ゆっくりと時間をかけて研磨する
※サンダーの仕上げは、塗装にも影響するので、ゆっくり丁寧に研磨することが重要です。

 ランダムサンダーとオービタルサンダーの違いは、 「憧れの一枚板を自分の手で!DIYで叶える唯一無二のテーブル作り2025.9.7」で少し触れましたのでご参考に!

🌲まとめ

 倣い加工は、テンプレートを作れば複雑なデザインのものも制作することができますので、一台あるとDIYの幅が広がり、もっとDIYが楽しくなると思います。
例えば、
・持手の付いたカッティングボード
・家具類の曲面加工
・天板の縁装飾 など簡単にできちゃいます。

 この記事が「挑戦してみようかな」と思うきっかけになれば嬉しいです。
近々、Instagramのリールに動画をアップさせて頂きます。

 もし作ってみたら、ぜひコメントで教えてください!

最後に
  物価が高騰する中、DIYは節約にもつながります。それ以上に、気分転換や自分のペースで好きなように好きなものを作れる楽しさは、何ものにもかえがたい魅力があります。
当店では、今年度中に皆様が道具やスペースを自由に使って頂きDIYを楽しんで頂ける様な工房を建設しようと思っていますので、是非、皆さん吉野まで足を運んで頂きDIYを楽しんで頂けましたら幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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