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吉野材について

吉野材について

●吉野材について

奈良県吉野地方で育林された吉野の銘木「吉野杉・吉野桧」を一般的に吉野材と呼んでいます。
日本三大人工美林と称される吉野地方で育つ木材は、歴史が古く室町時代末期に造林が行われていた記録があり、名将豊臣秀吉が築いた、大阪城、伏見城も吉野杉が使用されています。
2016年には、歴史的なストーリーが評価され「森に育まれ、森を育んだ人々の暮らしとこころ~美林連からなる造林発祥の地“吉野”」として日本遺産に登録されています。
吉野林業の特徴は、極端な密植と間伐を数多く繰返す長伐期施業と、杉・桧の混植です。
一般的に1haあたり3,000本植林しますが吉野地方では、8,000~10,000本植林し、木の成長に合わせて間伐・枝打ちを何度も繰返し長い年月をかけて育てています。また、一般的に木材の最終伐期は、40~50年ですが、吉野地方では80~100年で、親子4代に渡り手間ひまかけて深い愛情を持ち大切に育てられてきた木材です。そうすることで、木材の成長が抑制され幹の上下の太さを一定に保ち、年輪が細かく、節の少ない強度ある真っすぐな木材に成長しますので優良材として取り扱われています。

●杉と桧の特徴

杉と桧は日本原産の針葉樹で昔から多くの住宅で使用されています。

杉:木材で最もよく使われるのが針葉樹の杉です。辺心材の境界が明瞭で、辺材(丸太の外側)は白色、心材(丸太の中心側)は淡い紅色~濃い赤褐色、時に黒色と幅があります。木目や材のもつ質感は通直で肌目はやや粗く特有の香りを放ちます。脂気が少ない上、柔らかく軽いので加工性に優れているため構造材から造作材まで幅広く身近な素材として住宅に活用されています。桧よりも成長が早く高断熱で高気密、耐朽性は中程度です。
桧と比べると成長が早く、安価であるため高い需要があります。

桧:針葉樹の桧は乾燥性が良く、狂いが少ない木材です。材質は柔らかく軽いですが、強度と耐朽性が高い優良材のため柱や土台に使われることが多いです。世界最古の木造建築物である法隆寺も桧で建てられています。光沢のある木肌や独特の香りが人気で桧風呂や入浴剤の香りとして親しまれている木材です。防音・調湿・防虫効果・耐水性、耐朽性に優れています。

●吉野材の特徴

□年輪が緊密で美しい

密植、多間伐で手間暇かけて大切に育てられた吉野地方の木材は、他の産地と比べても年輪が細かく美しいです。
そのため、優れた強度と乾燥や湿度の変動による変形が少ないです。

左の時計は、ホームセンターで買ってきた国産杉で作った時計です。
右の時計は、吉野杉で作った時計です。
年輪の細かさが、一目瞭然で違います。

□色艶香りが良い

心部分において杉は目に優しい美しい淡紅色の木肌で心に癒しを与えてくれる爽やかな香りがします。
桧は、淡いピンク色の木肌で独特で芳醇な香りが心に癒しを与えてくれます。

□根元から上まで太さがほぼ変わらない

丁寧な枝打ちにより育てられた吉野材は、まっすぐに伸び太さを一定に保っています。

□節が少なくほぼ円形

先人が手間暇かけて定期的な枝打ち作業をおこなってくれたため節が少なく美しい高品質な木材として非常に高く評価されています。

□通気性・防水性が高い

微細な空気の通り道が組み合わさっているため通気性が良いです。このため室内の湿度を適切に保つことができ、快適に過ごすことができます。

□防カビ性・抗菌性・抗ウイルス性・防虫性が高い

奈良県奈良の木ブランド課の調査によると、吉野材は、カビの生育抑制、大腸菌の増殖抑制、ダニの発生抑制、ウイルスの不活性化効果があると、健康を守るうえでの重要な箇所に効果があると実証されています。なぜなら、吉野材には、匂い成分(精油成分)「フィトンチッド」が多く含まれているからです。アレルギー症状の改善にも寄与できることが期待されています。

●杉・桧の持つ効果

□心安らぐ香り

木材には、それぞれ独特の香りがありますが、特に杉や桧の香りにはリラックス効果があると言われています。寝室に杉を使えば、深い眠りに入りやすいと言われています。また、消臭効果もあると言われています。

□目にやさしい

コンクリートは紫外線を跳ね返しますが、木材は紫外線を吸収し目の疲れを引き起こすブルーライトも軽減すると言われています。室内の壁に使用することで、目に優しい部屋になります。

□調湿作用

木材には、調湿作用があり湿度が高いときには水分を吸い、低いときには、発散させる特性があると言われています。

□防カビ性・抗菌性・抗ウイルス性・防虫性効果

奈良県の実験で実証されています。

●杉・桧のデメリット

□傷がつきやすい

木材としては、比較的柔らかいためキズがつきやすいです。特に家具や床材として使用した際に衝撃によりキズや打痕が目立つことがありますので、定期的なメンテナンスや表面の塗装などの加工が必要です。また、木材全般に言えますが直射日光や水に弱いです。
良いように捉えて言えば、日々の生活の中での経年変化が楽しめる木材といえます。

□隙間が生まれやすい

乾燥することにより強度がさらに増しますが、乾燥し隙間が生まれることもあります。