【木材まめ知識】芯持ち材と芯去り材 背割り 柾目 板目

🌲みなさんは、「芯持ち材」「芯去り材」「背割り」と言う言葉を聞いたことがありますか。
 今回、吉野桧の芯持ち材を使ってフローティングディスプレイ台を試作した際に気になりまして・・・・・。
 木の特性を知ることで、選び方や使い方がより面白くなるかもしれません。
 そこで、今回は、ちょっとした豆知識として掲載させて頂きます。

🌲「芯持ち材」と背割り
 
皆さんは、写真のように半分割ってある木材を見たことがないですか?
 写真の吉野桧は、「芯持ち材」に背割りをしたものになります。
 今は少なくなりましたが床の間の床柱や、住宅の梁やカモイに使われています。見えないところでは、家の基礎部分とか。

 よく見ると全ての角材に年輪の中心があります。
 なぜ、背割りをするかと言うと、木材には水分が含まれていて乾燥させないと、反りや割れ、狂いが生じることはご存じかと思いますが、木材は、表面から乾き始めて乾いた表層から縮みます。しかし内側にはまだ水分が多く残っているため表面との引っ張り合いが割れの原因になります。特に木材の赤身を含む中心付近は、乾燥しにくく狂いが生じやすいです。どこで、亀裂が入るかわかりません。
 なので、予め一方に芯まで切り込みを入れることで芯まで風通しが良くなり乾燥しやすくなります。また、力の抜ける箇所を作っておくことで、他の三面の割れを防いでいます。
 超簡単に言うと、乾燥する過程で木材が中心部から割れることを防ぐためです。
 昔の人はエライですね。
 芯持ち材は、強度や硬度が高い。赤身が多く、赤身には油分が多く腐食しにくい。耐蟻性があるためシロアリに強いという利点があります。しかし、反面、木材が乾燥する際には他の部分に比べて収縮する度合いが大きく、割れや反りが生じやすいのが欠点です。
  (図1)
 
①の年輪に向けて垂直方向にはあまり伸縮しませんが②の水平方向には、①の約2倍収縮するそうですよ。柾目が狂いにくいと言われるのは、この原理ですね。(プログ書くのは、再度調べたりするので自分の勉強にもなります。)
 ちなみに、背割りがあっても強度には問題ありません。
 最近では、乾燥技術の進化し背割りをしなくても、芯持ち材が割れないようにすることができるようになってきています。狂いも少なくできるため、背割りを行うことは少なくなってきています。
 しかし、人工乾燥すると木材表面の色味が黒くなったり、赤身の色が薄くなったり、香りが無くなったりすることがあります。当社がいつもお世話になっている寺本木材様では、天然乾燥にこだわり時間をかけてじっくり木材を乾燥させています。

 
 話は、少し脱線してしまいますが、上の写真は、寺本木材様で撮影せさて頂いた吉野杉の「木取り」の写真です。
「木取り」とは、原木から製材するすること、またどのように製材するかを決めることです。
 丸挽き、太鼓挽き、回し挽きなど様々な製材の仕方があります。上の写真は、「みかん割り」と言う挽き方で、「柾目板」を取るときに用いる方法です。吉野杉のきめ細かな木目が目を引きつけます。

 ついでに、含水率を測ってみました。
 
 私の持っている簡易含水率計で、51.7%
 
 ウン十万円の含水率認定製品では、59.0%ありました。
 やっぱり誤差があります。
 ここから、含水率が15%以下になるまで、じっくり時間をかけて天然乾燥させます。

🌲柾目(まさめ)
「柾目」とは、丸太の中心を通して切り出した時に表れる縦縞状の木目です。
 
先程の図1の①の方向にノコを入れると柾目がとれます。幅の広い柾目板は貴重で能率も悪いですが、先程説明したとおり柾目は狂いが少なく厚みが5mm程度でも反りにくいです。

🌲板目(いため)
 丸太の端から端まで平行に切り出したときにでてきる木目です。年輪が平行ではなく山形や不規則な波形になっています。
 
先程の図1の②の方向にノコを入れると板目がとれます。
だいぶ、話が脱線してしまいました。

🌲「芯去り材」
 芯去り材は、木の「芯」を含まない部分で、一般的に色が均一で木目が柔らいです。
芯去り材は芯持ち材に比べて収縮や反りが少なく安定しているため、扱いやすさが特徴です。しかし、芯持ち材に比べて強度や硬度が劣るため、構造部材として使用するのは適していません。
DIYには、芯去り材の方が扱いやすいです。

 当社のスツールの座面は吉野杉の一枚板を使っていますが板目です。ちょうど、図1②の方向にカットした木材です。大径木を扱う吉野地方でも25cmを超える板は貴重な存在です。ホームセンター等で、25cmを超える一枚板を探すのは難しいと思います。
 
 良く、座面は丸なので、切株(丸い年輪)の座面は無いの?と聞かれることがあるのですが、背割りをいれないと必ず割れてくるのて、当社の技術では不可能だと思っています。切株かわいいので私も好きなんですけど・・・・・。

 ということで、丸い年輪がある背割りの角材でローティングディスプレイ台を試作してみました。
 

 すごく細かな木目が特徴で、自然がデザインです。含水率も12%でしたので、反りは割れは大丈夫かと思います。この上に多肉植物を置くイメージで制作しました。
 必要としてくれる人がいるかなぁー

 最後までお読み頂きありがとうございます。
 


 
 
 

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA