【木材まめ知識】DIY 木材の木表、木裏と反りの関係

🌲DIYで良く使う木材。木材の面にも名前があることを知ってますか?
 木表・木裏・小端・木口と言いますが、特に木の表と裏を気にしたことがあるでしょうか?
 実は木表と木裏では性質が少し違うのでその性質を知っておけば、より良い作品を作ることができ、DIY Lifeがもっと面白くなるかもしれません。
この記事では、日曜大工士・DIY工作アドバイザーのまーぼぉが経験をもとに、木材の面の名称とそれぞれの特性について詳しくご紹介します。
 DIYを始めたいと考えている方にとって、少しでも役に立てば幸いです。

🌲木材にもそれぞれの面に名前があります
 

  
 下の写真は、上の板を裏返して撮影したもの
 

吉野杉の1×10(19×235mm)の板目。赤身と白太が混ざった源平です。
 丸太の写真では、ちょうど「板目」の部分を製材したことになります。かなり幅広の貴重な板です。
 この幅で「柾目板」を想像してみてください。かなりの大径木でないと無理なのがおわかり頂けると思います。柾目の幅広材は、超貴重なのです。
 赤身・白太は前回、その特性を説明させて頂きましたが覚えてますか・・・・・・。 
🌲木表(きおもて)
 木材の外側にあたる面を木表といいます。
 節が少なく木目がきれいです。
🌲木裏(きうら)
 木材の中心に近い面を木裏といいます。
 繊維が浮き出たようになりささくれやすく、見た目が少し悪いです。表には節が無くても裏には節がある場合もあります。
🌲木表と木裏の見分け方
 木口の年輪の方向をみればすぐにわかります。
 
🌲木口(こぐち)
 木の繊維方向に対して垂直に切断した、年輪が見える面です。
🌲木端(こば)
 繊維方向に対して平行に切断した、木口でない方の側面です。

 基本的に、造作物の見える面が木表になるように使います。特に、床や素手でふれる箇所には必ず木表を使った方が良いです。
 なぜなら、木裏を表にすると木が瘦せてきた時に木目が浮き上がり剥がれやすく、ささくれる場合がありケガをする危険があるからです。
 これは、木材特有の性質である「反り」「伸縮」と関係しています。反りは、木の表と裏での水分量の違い、縮む度合いが違うため起こります。木材の中心部は水分は少なく、樹皮に近くなるほど水分を多く含んでいます。乾燥が進み水分が抜けると樹皮側の伸む度合いの方が多く木表側が引っ張り、木裏が膨らみます。
 板材の場合、木は木表側に反ります。
 特に、薄く幅広の材は反りやすいです。
 
上の写真は、厚み7mm幅105mm長さ210mmの吉野杉の板目板ですが、若干反りがでてきています。
 
 木材は年輪の方向に縮みます。これは、乾燥と経年によるり木が痩せてくることが原因で木が生きている証でもあります。梅雨時などの多湿の時期には、膨張するため逆に反る場合もありますが、長期的には痩せていくためこのような反り方をします。
 
 角材の場合は木表側は凹み木裏側は盛り上がります。
 

🌲木材の伸縮
 
 ちなみに、杉の場合木材の伸縮率は、軸方向0.03%、接線方向3.5%と言われています。全てが、均一なら反ることはないのでしょうけど・・・

 無垢材は、ご承知のとおり反りや割れなどの狂いがでてくる素材ですが、しっかりと乾燥された木材を選ぶことで、狂いを最小限に抑えることができます。
 当社の製品は、しっかりと乾燥させていていますので反りはほとんどないのですが、7mmですとやっぱり反ってきてました。(加工後、1年ぐらいたってます。他の厚みの板には反りが無かったです。)
 特に、幅の広い一枚板をお選びの際には、年輪に近いところの板は乾燥があまいと反る確率も高くなりますのでショップの方に木の状態を確認してお買い求め頂くのが良いと思います。
 今は反っていなくても木材の乾燥状態や使用される環境により今後、少なからず木材の反りはでてきます。

🌲DIYにおける反り対策
 ★しっかりと乾燥された木材選び
 やっぱり一番大事なのは、しっかり乾燥された品質の良い木材を選ぶことだと思います。何事も基本が大切ですよね。基本がブレていると、全てに影響を及ぼし良い成果を得ることができません。(仕事も一緒ですよね)
 ★反り止めする
 反り止めと聞くと特殊で難しく聞こえますが、木材を組むときに皆さんが、もうすでにやられていることです。
適正な長さのビスや金具でがっちり止める!それが、反り抑止になります。
 例1)
 
 赤丸は、ビスの位置を示しています。
画像の様なラックを組み立てるときも適正な長さのビスを短い板なら端と端、長めの板なら端、端、真ん中に打つことで、反りを抑止していることになります。
 例2)
 
ブラケットを使い棚を製作する場合、ブラケット①は、棚の幅に対して短かいので、→の様に反ってくる可能性が高いです。
 対して、ブラケット②は、①に比べると長いので抑止効果があります。
 この様に、適正な材料でがっちりと固定することで、反りを抑止することができます。
 ★塗装して反り止めする
 ウレタン塗料やニスなどの樹脂系塗料を塗ることで、反りを抑止できます。しかし、木の呼吸を止めてしまうことになってしまいます。木の変形を抑止し、木目は楽しめますが、木本来の質感や調湿作用が無くなってしまいます。
 自然派志向の方には、オイルやワックス塗装をおススメいたしますが、こちらは反り抑止効果は期待できません。

🌲まとめ
・木材は、乾燥状態や使用される環境により少なからず反りがでてきます。
・木表側は凹み木裏側は盛り上がります。
・しっかりと乾燥された狂いの少ない木材を選びましょう。
・基本的に、造作物の見える面が木表になるように使います。
・反り止めをする。適切なビスや金具でがっちり組もう。
 木の特性を意識し使用することで、ワンランク上の仕上がりが期待できます。
 
 合板や集成材は狂いが少なく扱いやすいですが、私はやっぱり無垢材が好きです。
 木肌の色味、香り、木目など、にそれぞれの好みがございますが、特に国産無垢材(杉・桧)を皆様にも使って頂きたいです。
 日本の木材自給率は、徐々に回復してきていますが、木材関連産業は低迷を続けています。
 日本の森を守るためにも国産材をお使い頂けますと幸いです。
 次世代に日本の美しい森を皆で引き継ごう!

 DIY Lifeで、素敵な週末を!
    
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 

 

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