木材のオイル塗装

 

今日の吉野は秋晴れで心地よい風が吹いて、とても過ごしやすい気候でした。(10月10日)稲刈りも終わり、田んぼの見える作業場で、気持ちよくオイル塗装作業をしました。
龍門岳が見えるここからの田園風景が大好きです。

 壁に貼る天然木のウッドタイル「Deco Wood Yoshinoシリーズ」は、厚みや組合せを自由に変えることができ、Onry oneの壁面アートをDIYできるアイテムなのですが、更に色を変えることで自分だけの世界に一つだけのオリジナルな空間を作ることができます。
 しかし、ホームページにはそのバリエーション写真をまだ掲載できていませんので、早く掲載して皆様に紹介したいなぁーと思っていました。

 で、在庫をだして、オイルを塗ることにしました。今回は、DIYの塗装についてご紹介したいと思います。

 木材用の塗料は、「油性」「水性」の2種類があります。
 水性塗料は、乾燥する前なら簡単に洗い流せます。乾燥に時間がかかりますが、塗装中に塗料が乾燥してしまう心配もありません。
 油性塗料は、しっかりと定着するので塗料が剝がれにくく、木に浸透して木目を活かした塗装ができます。服等につくと水では落ちないので、専用の薄め液で洗い流す必要があります。
 
 そして、2つのタイプがあります。
 木材に染み込んでいく「ステイン塗料」と染み込まずに塗膜を張る「造膜塗料」があります。

ステイン塗料
 水性ステインは、取扱いやすいですが、乾燥に時間がかかってしまいます。
 油性(オイル)ステインは、独特の深いツヤがだせます。
 ステイン塗料のデメリットは、造膜塗料と比べると塗膜を張らないため、汚れや傷がつきやすいです。メリットは、日常のメンテナンスが行いやすい。木目をくっきり浮かび上がらせる効果があるため、安い木材でも高級感ある仕上げになる。

造膜塗料
 大きき分けると「ワックス」「ウレタンニス」の2種類がありそれぞれに水性と油性があります。
 ワックスは、木材に少しだけ浸透し表面に塗膜をつくります。触り心地が良く、磨くと光沢が生まれます。熱と水に弱いのがデメリットです。
 ウレタンニスは、乾燥すると固くなり塗面を保護します。しかし、キズがつくと目立ち、再塗装する場合は、全てニスを剥がさなければいけないデメリットもあります。

 木材は、自然素材ですので水や汚れ、紫外線などの影響で劣化していきます。
 塗装する目的は・木材の保護・見た目を美しくする・耐久性の向上などがあり、ヤケを防ぐ、キズ防止、木目を引き立てるなどの効果があります。使用する場所や目的により塗料を選ぶと良いのですが、当社では、木にも人にも優しい油性(オイル)ステイン塗料(植物オイル塗料)を使用しています。

 伐採された木は成長は止まりますが生きています。水分を吸収したり放出したりする調湿作用があります。
 オイル塗装は、その作用を妨げることなく木に優しいと同時に環境にも優しい。木が持つ本来のしっとりとした手触りを感じることができ使い込む程に味わいがでてくる。使用後もお客様ご自身でメンテナンスも簡単にできる。取扱いもしやすい。
 と言うような理由でオイル塗装をおすすめします。
 良く使うオイルは、OSMOとWATCOです。いろんなオイルを試しましたが成分はほぼ同じです。
 メーカーによりオイルの粘度の違いがあり塗り心地がちがいます。
 OSMOは、粘度があり硬い感じがします。っ少し高価です。 
 WATCOは、粘度が低くなめらかで伸びが良いため塗りやすい感じがします。比較的リーズナブルな価格でどこのホームセンターでも取扱っています。
 WATCOオイルのナチュラルは、塗装後少し黄色味があるので、ナチュラル系を塗る場合は、OSMOを使用することが多いです。
 今回は、だれでも入手しやすいWATCOのエボニーとミディアムウォールナットを塗りました。

①下地処理
 ムラなく綺麗に仕上げるには、下地処理が大切です。と言ってもある程度でいいと思います。
 Deco Wood Yoshinoシリーズは、#240のサンドペーパーで磨いて仕上げていますので、基本そのままオイルを塗って頂いても大丈夫かと思いますが、磨きがあまいところや、キズがあるところは#240で磨いてください。
 今回は、ビンテージ風のカラーですのでキズなどはあったほうがいいのでそのまま塗りました。

②オイル缶をよく振る
 容器の中でオイルが分離しているので十二分に振ってください。

②オイルを塗る(1回目)
 刷毛やウエスで全体的にオイルを薄く塗ります。木材がオイルを吸収する量には限りがあるので多く塗っても同じで後のふき取りが大変になります。大きな面積なら刷毛を使いますが、小さな面積ですと、私は、ペーパータオルを使用しています。


私は、素手ですが、手袋を付けた方がいいかもしれません。オイルですので綺麗に落ちます。

③木材にオイルが浸透するのを待つ
 木材にオイルが浸透するまで30分程度放置します。放置しすぎると表面でオイルが固まりベタつき拭き取りにくくなってしまいます。

④オイルをふき取る
 浸透しきれなかったオイルをふき取ります。ある程度、きっちり拭き取らないとベタついて手触りが悪くなってしまいます。
写真はふき取った後の写真です。
 


 

 木目がくっきりと浮き上がり印象がガラリと変わります。時に杉は、くっきりと力強い木目が特徴ですのでオイルを塗ることでその特徴が際立ちます。

オイル塗装は、木材に浸透しますのでよくある厚塗りするとムラになると言うようなことはありませんが針葉樹は、木材の繊維質によりオイルの浸透する量に違いがあるためムラの様になりやすいです。動画を見て頂けると、急に濃くなっているところがあると思います。これは、何度塗っても同じような色あいにすることができません。特に濃い色のオイルを塗るとよくわかりますが、クリアーオイルはムラがあったとしてもわかりません。
 キズのある箇所や下地処理があまいところも色が濃くなります。
 ビンテージ風に仕上げるつもりでしたので、天然木の味がでていい感じになったと思います。
 
 今回は1回塗りですが、商品を塗る場合は、2回塗りをしています。
 1回目拭き取り後1回目よりも薄くオイルを塗り#600の耐水ペーパーで研磨します。
 研磨すると、表面を更にツルツルに仕上げることができます。
 
 オイルの研究者でも無く、あくまで私の私見ですので参考程度にお留めください。

 オイル塗装のことをプログに綴るつもりがなかったため写真が少なくて申し訳ございません。

⑤24時間以上乾かして完成です。
 いったん、倉庫に移し乾燥させます。次の作業は、24時間後。いつ貼れるだろうか。
 結構な面積が必要ですしバリエーション数が多いので・・・・貼れるスペースが無いのが課題です。

 デコウッドのバリエーション写真を早く皆様に公開できるよう日々、努力いたします。

 最後まで、お読み頂きありがとうございます。



 

 

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