無垢材のオイル仕上げ!「のっけ台」にいろんなメーカーのオイルを塗ってみました。【Let’s try DIY】

 毎日暑い日が続きますね。今日は特に湿度が高く汗ダクになりながら木工作業をしていました。今年の夏は例年以上に異常気象を肌で感じます。地球が悲鳴をあげているような気がしてなりません。少しでも環境を守る行動を意識したいですね。

 さて、先日リリースさせて頂いた「のっけ台」。あえて無塗装で販売していてます。
 「自分好みに塗装を楽しんでいただきたい」という思いから、塗装済みにせず、お届けしています。
 
 今回は、その「のっけ台」に、木にも体にも環境にも優しい「オイル塗装」を施してみました。 その手順をご紹介させて頂きます。

🌲オイル仕上げの目的

 ご存じの通り、無垢材は呼吸しています。湿気や乾燥により伸縮し、ひび割れや反りが起こることも。また、紫外線や水分などで劣化が進みやすい性質もあります。
 オイルを塗る理由は、それらのリスクを下げること(木材の保護)と美観です。

 オイルは木の内部に浸透し、湿気や乾燥から木材を守り、ひび割れや反りを防ぎます。また、木目が際立ち深みのある色合いが得られるため、見た目の美しさも向上します。さらに、オイル仕上げは手触りも良く、木の温もりをそのまま感じることができます。
 ウレタン塗装のように表面をコーティングする仕上げ方法もありますが、DIYには不向きで木の呼吸を妨げてしまいます。

そのため、当店ではオイル仕上げをおすすめしています。

もちろん、ウレタン塗装は傷や水シミからの保護力が高いというメリットもあります。

🌲今回使用したオイル

 

🌲オスモ(エキストラクリアー)【右】
🌲ワトコカラーオイル(ミディアムウォルナット)【中】
🌲ビンテージワックス(ウォルナット)【左】

🌲オスモ(エキストラクリアー)塗装

 ナチュラル仕上げ用に、いつも使っているオイルです。
▶特徴
 再生可能な自然の植物油と植物ワックスをベースにした自然塗料です。人体動植物に害をあたえないので、幼児向けの玩具や家具などの塗装にも安心して使用できます。水性塗料と違って塗膜を作らないので塗装面のワレ、ハガレ、メクレなどは起きません【上記はメーカー説明の抜粋です】
・塗装回数は、1回で拭き取り不要
・0.75Lで6,500円程するので少し割高です。
 866円/0.1L
・オイルの粘度が硬いので、慣れるまで難しい
・乾燥時間は、12時間以上
・薄塗りが必須!ベトツキの原因になります。


 いろんなナチュラル系オイルを使いましたが、商品のナチュラル系オイル仕上げにコレを採用する一番の理由は、経年での黄ばみが少ないと感じるからです。
 特に亜麻仁油系のオイルは、酸化し黄変しやすいそうです。
 下の写真は、事務所で使用している時計です。
 左が現在。
 右が塗装直後。
 ワトコカラー(ナチュラル)を塗装して約1年半、自然な色ヤケというよりも少し黄変が目立つ気がしませんか。
 オイル塗装の黄ばみも、経年変化による自然な現象で欠点では無く、無垢材と同じく経年変化を楽しむ要素でもありますが・・・。
 
 オスモのエキストラクリアーは、黄ばみが少ないような気がします。少し高いですが・・・1回塗りなので手間が省けることも採用している理由です。

▶塗装
 メーカーホームページに詳しく塗装の仕方がのっていますのでポイントを掲載させて頂きます。

①下地処理
 「のっけ台」は、240番でサンディングしていますので、そのまま塗装して頂いて大丈夫です。(サイディングの甘いところもあろうかと思います。その際は、誠に申し訳ございませんが240番のサイペーパーで磨いてください。)

②オイル缶をよく混ぜる
 十二分に混ぜてください。
 他のオイルは、オイル缶にそのまま刷毛を突っ込んで塗る場合がありますが、オスモカラーの場合は、刷毛に着いたオイルを落さないと厚塗りになってしまうため受け皿にオイルを入れてきっちり刷毛からオイルを落すことをおススメします。
 
 今回は、塗る面積が少ないので刷毛を使いましたが、オスモカラーは粘度が高いので硬めの刷毛の方が塗りやすいです。面積が大きい場合は、コテハケを使ったり小さい場合は、ペーパータオルを使う場合があります。

③塗装
 刷毛の根本までオイルをたっぷり付けから、余分なオイルをしっかり落とす必要があります。

 裏面から・・・
 基本 木目に沿って刷り込むように、薄く薄く、よく伸ばして塗ってください。
 

 



 私も最初は、何回も厚く塗りすぎて失敗した経験があります。オスモカラーは厚塗り厳禁です。
 
 裏表塗り終えたら、最終塗り忘れや塗り斑が無いかを確認し、乾燥です。メーカーは、乾燥時間約12時間以上と記載がありますが、その通りだと思います。気温や湿度によっても変わりますが、12時間放置しておいてもベトつく場合もありました。

 翌日、乾燥が終わりました。
左が塗装済み、右が無塗装です。
 少し、深みのある色あいになり木目がくっきり引き立ちました。
 

 

🌲ワトコカラーオイル(ミディアムウォルナット)

▶特徴
1_仕上がりは、濡れた深みのあるウエットタッチ。ムラのない美しさが持続します。
2_作用によって固まり始め、液状から弾性を兼ね備えるようになります。
3_調湿効果があり、木の呼吸を妨げず、割れや狂いの抑止効果があります。
4_ワックスは、オイル仕上げ後にお好みによりご使用ください。滑らかな肌触りと手垢等の付着防止効果があります。
5_製品は全て艶消し仕上げです。
【上記はメーカー説明の抜粋です】
・塗装回数は、基本2回で拭き取り必要。
・1Lで4,200円程。420円/0.1L
・オイルの粘度が低く、塗りやすい
・2回塗り拭き取り必要なので仕上がるまで時間がかかる


 私は、ナチュラル仕上げは、オスモですが、カラーオイルは、ワトコを使用しています。
 メーカーホームページに詳しく塗装の仕方がのっていますのでポイントを掲載させて頂きます。
 下地処理→1回目塗装30分放置→浸透しっきれないオイルのふき取り→1時間乾燥→2回目塗装。すぐに研磨→1時間放置→完全に拭き取り→乾燥に24時間必要
・拭き取りがあまいとベタつきますが、2回目の塗装後、1,000番のサンディングペーパーで研磨するとツルツルすべすべに仕上がります。
 オイルの価格は、オスモの半額以下ですが仕上げるまでにとても手間と時間がかかります。
 カラーもとても豊富にあります。

▶塗装(今回は1回塗り)

 
 
①下地処理
 「のっけ台」は、240番でサンディングしていますので、そのまま塗装して頂いて大丈夫です。(サイディングの甘いところもあろうかと思います。その際は、誠に申し訳ございませんが240番のサイペーパーで磨いてください。)

②オイル缶をよく混ぜる
 十二分に混ぜてください。
 オイルはサラサラで塗りやすいので今回はペーパータオルで塗りました。

③塗装
 
 ペーパータオルにオイルを含ませ、余分なオイルをある程度落して裏面から塗ります。木目に沿って、すりこむように薄く塗り伸ばしてください。無垢材は、生きており木の繊維にオイルを吸収する量が限られており吸収しきれなかったオイルは表面に残ります。なので塗り斑などの失敗はほぼ無いです。
 
 しかし、個体差があり塗り斑の様な仕上がりになってしまいます。まぁ、カラーオイルはそれが良い味になるのですが・・・
 写真でもわかる様に、濃さが違うのがおわかりになると思います。これは、個体によりオイルの染み込む量が違うからで厚塗りしても改善されません。個のブロックでも繊維により染み込む量が違います。また、木口は良く染み込みます。
 また、サイディングの粗さにより濃さも変わってきますが、2回塗ってもほぼ濃さはかわりません。
 
④拭き取り
 


30分程度放置してからウエスやペーパータオルで拭き取ります。ペーパータオルに色が付かなくなるまできっちりとふき取ります。この作業がとても大変!結構時間がかかります。
 この作業の手を抜くとベトついてしまいます。
 ふきとるだけで、ツルツルの肌触りです。
 2回塗りで、ウエット研磨するともっとツルツルの肌触りに仕上げることができます。
 
⑤乾燥
 24時間以上乾燥させて完成です。


 

いい感じに仕上がりました。
 特に針葉樹(杉・桧)にカラーオイルを塗ると塗りムラがでてしまいます。広葉樹はまだマシです。また、針葉樹でもナチュラルオイルだとムラはほぼでません。
 ムラも個性があり無垢材の特性でもありますので私は好きですが、どうしても気になる方は、ナチュラルオイルをご使用した頂いた方が良いかと思います。

🌲ビンテージワックス(ウォルナット)

▶特徴
・「えごま」を使用した環境に優しい植物油ベースのワックスです(トルエン・キシレンは不使用)
屋内のほとんどの未塗装木材に使用できます。
・木の持つ自然な素材感を生かしたオイルフィニッシュ仕上げです。
・靴墨のようになめらかで塗りやすく、美しく着色・保護します。
・木の呼吸を妨げません。
【上記はメーカー説明の抜粋です】
・塗装回数は、1回で拭き取り必要。
・160gで3,000円程
・ワックスなので硬い。歯ブラシや靴磨きで塗る
・オイルに比べると塗りにくい

・どうしても厚塗りになりがちで拭き取りが大変

 アンティーク感を演出するために尖ったものでキズをつけたり叩いたりして丸みをつけておきますと説明書にあります。まさに、ビンテージです。
 ワックスに説明書が入っていますのでポイントを掲載させて頂きます。
 下地処理→塗装→30分以上乾燥→ウエスで拭き取り→乾燥に24時間必要

▶塗装
 
 
①下地処理
 「のっけ台」は、240番でサンディングしていますので、そのまま塗装して頂いて大丈夫です。(サイディングの甘いところもあろうかと思います。その際は、誠に申し訳ございませんが240番のサイペーパーで磨いてください。)
あえて、キズは付けずそのまま塗りました。

②塗装
 
 歯ブラシにワックスを付けて塗ります。
 

 


 オイルに比べると塗りにくく時間がかかってしまいます。
 ねっとりなので拭き取りが大変そう!

③拭き取り
 
・30分程度放置し、ペーパータオルで拭き取ります。結構大変でした。きっちりとふき取れるまで1時間弱かかったと思います。

④乾燥
 24時間以上乾燥させて完成です。
 



いい感じに仕上がりました。
 先程、紹介したワトコオイルと比べると拭き取りにかなり時間がかかりましたが、アンティーク感のある仕上がりになりました。手触りもツルツルです。価格もリーズナブルだと思います。

🌲最後に・・・

 





 いかがでしたか?
 同じ木材でも、オイルを塗るだけで見た目も雰囲気もガラリと変わります。
 オイル塗装は、決して難しくはありません。
 手間と時間はかかりますが、それもまたDIYの醍醐味。
 木と向き合う時間を楽しんでいただけたら嬉しいです。

 ぜひ、「のっけ台」をあなた好みにカスタマイズしてみてください!

最後までお読み頂いてありがとうございます。

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